S様と売却不動産について
JR中央線八王子駅よりバス便の閑静な住宅地にSさんはお住まいです。
もともとは八王子市内の賃貸物件にお住まいでしたが、その近所で新築一戸建てが売りに出たため、ローン審査が通ったら購入しようかくらいの軽い気持ちで申し込み、無事審査に通ったので購入することを決めたそうです。
大手の建売会社が建築した3棟現場で、その中でいちばん価格の高い物件を購入されました。
車を3台並列で駐車できるスペースがあり、エリア的にはカースペース2台が必須とも言えるため、地域のニーズも満たしています。
また、庭先もかなり広く取れているため、日当たりも良好なのですが、この広い庭先が、のちのち苦労の種となってしまいました。
病気のため収入が安定せず、住宅ローンの滞納が始まる
新築一戸建てにはお母様との二人暮らしで、入居されてから4年間くらいは順調に住宅ローンのお支払いを続けていました。
ただ、昨年お母様が亡くなってしまい、そのショックもあったのかもしれませんが、体調を崩すことが多くなったようです。
病気のため欠勤が続くと、職場から退職を勧告されたりして仕事が長続きせず、収入も安定しないため、次第に住宅ローンの滞納が始まりました。
初回面談時の状況について
お会いした時には住宅ローンの滞納が始まって6ヶ月以上が経過しており、すでに保証会社が代位弁済を済ませていたため、保証会社の債権回収窓口へ連絡して任意売却を申し出ました。
競売ではなく任意売却で自宅を手放したほうが、人目もそれほど気にならず、引っ越し代も確保できる場合があるのでメリットがあります。
室内の状況としては特に水回り(浴室、トイレ、洗面化粧台、キッチン)の汚れが目立つ状態で、とても築5年の状態には見えませんでした。
庭先も雑草が伸び放題で、境界標確認のため敷地内を移動するのも困難でした。
体調が悪かったり仕事が忙しがったりで、S様に掃除をお願いしても、なかなか掃除する余裕がないようです。
庭先の除草や水回りの清掃などを徹底して実施
物件の持つポテンシャルがしっかりと購入を検討しているお客様に伝わるよう、私自身が庭先の除草や水回りの清掃を行うことにしました。
庭先はかなり広く、建物周りにも雑草が生い茂っていたため、刈払機を自費で購入して除草しました。
休日を返上して屋外の除草で1日、室内の水回り清掃で1日、合わせて2日かかりました。
ちょうど清掃の終わったタイミングで購入を検討しているお客様に内覧いただき、ご契約いただけることになりました。
債権者と交渉して引っ越し代を確保
住宅ローンの滞納が始まってからご自宅を明け渡すまでの間、毎月のローンは支払いをストップしているので、可能であればその間に引っ越し費用を貯金しておくべきです。
ただ、S様の場合は病気や転職の影響で、貯金は増えるどころかほとんど残っていませんでした。
そのため、債権者へ引っ越し代を交渉し、何とか売買代金の中から20万円の引っ越し代を配分していただくことを認めてもらいました。
まとめ
住宅を購入する時には、住宅ローンの支払いが出来なくなる日が来るかもしれないなどと想像する方は少ないでしょう。
でも、病気になってしまって仕事が続けられず、収入が減少して住宅ローンが払えなくなってしまうということは起こりうると思います。
住宅ローンの支払いができなくなってしまっても、競売を回避する「任意売却」という方法があります。
住宅ローンの支払いで困ってしまったときには、早めに「任意売却のリライト」へご相談ください。